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【昔話】肩掛地蔵【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし、大変信心深いが住んでいました。
の畑の近くには、肩を寄せ合い並んでいる地蔵があり、は毎日その地蔵を拝んでから畑に行くことを日課にしていました。

そんなある夜、の夢枕にあの肩掛け地蔵が現れ、「何か必要なものあれば、それを言いながらわたしたちの肩の間をくぐりなさい。何でも貸してあげましょう」と言いました。

翌朝、肩掛け地蔵の所へ行ってみました。
しかし、どうがんばってみ肩の間はくぐれそうにありませんでした。
そこで「新品のクワを貸して欲しい」とお願いしてみることにしました。
すると、先ほどまでくぐれないと思っていた肩の間をくぐり抜けることができました。
抜け終わると、本当に新品のクワが出てきました。
は新品のクワで畑仕事を済ませると、ていねいに洗い、肩掛け地蔵に返しました。
するとクワは地蔵の肩の間に吸い込まれていきました。

しばらく経ったある日、今度は「村の寄り合いがあるので、お膳とお椀を貸してほしい」とお願いし、肩の間をくぐりました。
すると見事なお膳とお椀がいくつも出てきました。
翌日、の家で寄り合いが開かれ、集まった村人たちからお膳とお椀を褒められました。
それを見ているうちには、1つだけくらい返さなくてもばれないだろう思い、お膳を天井裏に隠しました。

翌日、は何食わぬ顔で地蔵にお膳を全部返すふりをしました。
何日か経ち、は「今度は餅をついて食べたいので、臼とキネを貸してほしい」とお願いし、肩の間をくぐろうとしました。
しかし、どうやってもくぐり抜けることができませんでした。
その時、地蔵から「まだまだ貸したものを返していないだろう」と言われました。

は急いで隠したお膳を地蔵に返し、必死に詫びました。
しかし2度と地蔵からは何も貸してはもらえませんでした。
それでもは、肩掛け地蔵への信心を忘れることはありませんでした。


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