【昔話】鬼の嫁さん【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、百姓一家が住んでいました。
日照りが続き困っていた父は、思わず「雨を降らせてくれたら娘を嫁に出します」とつぶやきました。
するとそれを鬼が聞いていて、その翌日には雨を降らせました。
約束通り娘を嫁にもらった鬼は大喜びで山へと帰っていきました。
娘は、母から手渡された菜の花の種を、山へのぼる途中で一粒ずつ落としていきました。
鬼はとても優しかったのですが、娘は家に家に帰りたくて仕方ありませんでした。
やがて春になった頃、娘が落とした種から菜の花が咲き、それをたどっていけば家までの道が分かると、娘が大喜びで家に帰っていきました。
鬼は必死で娘を追いかけ、ようやく娘の家にたどり着くと、母から「この豆から芽が出た頃に迎えに来てください」と、よく炒った豆を手渡されました。
鬼は豆から芽が出ることを楽しみにしていましたが、どれだけ待っても芽が出てこないので怒って娘の家へ向かいました。
すると父から、「鬼は外ー!!」と言いながら豆をぶつけられ、自分の豆からまだ芽が出ていなかったことを思い出して、しょんぼりしながら山へと戻っていきました。