【昔話】あてのない旅【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、年老いて働けなくなった馬がいました。
ある晩、家の主人が「働けなくなった馬を生かしておく理由もないから、殺してしまおう」と話しているのを聞いた馬は、小屋を壊して逃げ出しました。
行く当てもなく逃げ出してしまったので、あてもなく歩いていると、自分と同じように逃げ出した犬と、猫と、ニワトリに出会いました。
3匹と1羽は連れだって旅をすることになりました。
その日はとても寒い夜だったので、みんなでひとつになって寒さをしのいでいると、どこからか人の話し声が聞こえてきました。
様子を見に行くと、2人の泥棒が盗んだ千両箱を前に酒盛りをしていました。
それを見ていた猫が「みんなで泥棒を驚かして、千両箱を奪ってやろう」と提案しました。
みんなはそれに賛成し、馬の上に犬、犬の上に猫、猫の上にニワトリが乗り、みんなで一斉に大声で鳴き叫びました。
すると泥棒はその大声に腰を抜かし、千両箱を置いて一目散に逃げてしまいました。
千両箱を手に入れた3匹と1羽は、それからもずっと一緒に旅を続けました。