【昔話】桶屋の夢【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、桶屋の男がいました。
ある日、桶屋は酒を入れる大きな桶のタガを直していました。
すると突然タガが勢いよくはじけて、桶屋は高い五重の塔のてっぺんまで飛ばされてしまいました。
桶屋が地上にいた男たちに助けを求めると、男たちは布を広げて受け止める準備をしてくれました。
桶屋がその布めがけて飛び降りようとすると、急に大きな地震が起き、大きな地割れができてしまいました。
飛び降りてしまった桶屋は五重の塔のてっぺんから、地割れの中へ落ちてしまいました。
落ちた先は地獄で、桶屋はえんまさまから地上へ戻る薬をもらったのですが、地獄で鬼に襲われ一度にたくさんの薬を飲んでしまいました。
すると今度は、地上を通り過ぎ、天高く飛んでしまい、たどり着いたのは雲の上の雷さまのところでした。
地獄からやってきた桶屋のことを気に入った雷さまは、桶屋に雨を降らせる手伝いをさせました。
桶屋が水に浸した笹の葉を振ると、地上では大雨が降り出しました。
雨を降らすことに夢中になった桶屋は、足を踏み外してしまい、雲からまっさかさまに落ちてしまいました。
桶屋は池に落ちたのでなんとか命は助かりました。
池の中でもがく桶屋が目を覚ますと、おねしょで濡れた自分の布団の中にいました。
これまで起きたことは、すべて桶屋が見ていた夢の中のできごとでした。