あらすじ君

様々なあらすじを1分で読めるようにまとめました

【昔話】ささやき橋【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかしあるところに、とても美しいトキという娘がいました。
トキは、いつか素敵な人が現れたら、自分で織った花嫁衣装を着てお嫁に行きたい、といつも考えていました。

ある晩、トキのところに、立派な体つきの凛々しい若者が現れました。
トキ若者はお互いに気持を通わせるようになり、いつのまにかトキ若者に恋をしていました。

月夜に現れる若者が一体誰なのか知りたくなったトキは、若者の着物に糸のついた針を刺し、その糸の後を付いて行くことにしました。
すると、若者は林を抜けた先にある大きな王老杉という、大杉の精だということが分かりました。

このことを知った村人たちは災いを恐れて、王老杉を切り倒すことにしました。
しかし不思議なことに、王老杉から剥ぎ取った木クズは、夜のうちに木の傷を埋めて朝には元通りに治していました。
トキは、木を切らないでほしいと泣きながら訴えましたが、村人たちは木クズを燃やしながら、99日間かけて切り倒しました。

切り倒した大杉は、殿の命令でお城に運ぶことになったのですが、びくとも動きませんでした。
しかしトキが寄り添うように手を添えると、うなずくように動き出しました。
こうして大杉は切り刻まれ、お城へかかる橋になりました。

この橋は、月のきれいな夜になると、どこからともなく泣くような囁くような声が聞こえてきました。
何とかしてほしいと頼まれたトキは、艶やかな花嫁衣装を織りあげ、月夜の晩に王老杉の橋にやってきました。

花嫁衣裳を着たトキは、若者の胸に抱かれるように、ふわりとお堀に落ちました。
お堀からはトキの体も着物も浮いてきませんでした。


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