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【昔話】太鼓ときつね【あらすじ・ネタバレ】

むかしむかし敦賀にある橘の森にお稲荷さんの社がありました。
そこには白きつねが住んでいて、お社の近くにはきれいな湧き水が出る池がありました。
白きつねは、不思議な神通力で水柱を作り、そこに自分の姿を映して毎日のように眺めていました。

ある日、村にやってきたお坊さんが、村人たちから寄付を集めてまわっていました。
集めた寄付金で社の近くに小さなお寺を建てて、その寺の和尚となりました。
和尚は、村人のために手作りで太鼓を作って、朝晩に時刻を告げるために太鼓をたたくようになりました。

ある晩のこと、見慣れない女の人が和尚の枕元に現れました。
女の人は、「私は社の白きつねです。子きつねを3匹産んだのですが、子きつねが太鼓の音を怖がるので大きく育つまで、太鼓をたたかないでほしい」と言いました。
翌日から、和尚白きつねの言う通り太鼓をたたかなくなりました。
村人たちが和尚が病気にでもなったのかとを心配して集まってきましたが、和尚はたたかない理由を誰にも話しませんでした。

年末、寺の近くで山火事が起こりました。
寺にも燃え移りそうになりましたが、どうすることもできませんでした。
すると、3匹の子きつねを連れた白きつねが現れて、池の近くで呪文を唱え始めました。
みるみるうちに池から大きな水柱が上がり、山火事めがけて降り注ぎました。
こうして、きつね親子のおかげでお寺もお社も燃え移ることはありませんでした。

感謝した村人たちは、きつねの社にお供えするようになりました。
やがて月日が流れ、子きつねたちも立派に成長し、和尚も安心して太鼓をたたくようになりました。


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