【昔話】蜘蛛女【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、行商をして歩く1人の男がいました。
男の荷物には1匹の女郎蜘蛛が住みついていました。
男は峠を歩いていたのですが、急な雨に降られ、峠の途中にあるお堂に駆け込みました。
すると、お堂の隅の暗がりに旅芸人の女が座っていました。
男は、女と酒を飲みながら世間話などをして楽しんでいましたが、その女が半年前に助けた女郎蜘蛛の化身であるということに気がつきました。
しかし怖がることもなく、その場を楽しんでいました。
やがて男は、女の弾く三味線の音を聞きながらついつい眠ってしまいました。
女は、自分が女郎蜘蛛だということがばれてしまったので、男を殺そうとしたのですが、すっかり男に惚れてしまっていたので殺すことができませんでした。
代わりに自分の方が死ぬことを決意しました。
朝になり男が目を覚ますと、女郎蜘蛛が隣で死んで転がっていました。
男にはなぜ蜘蛛が死んだのかは分からなかったのですが、丁寧に弔ってあげて、里に向け出発しました。