【昔話】のんき者【あらすじ・ネタバレ】
むかしむかしあるところに、のんきで居眠り好きなおじいさんとおばあさんが住んでいました。
若いころは2人とも働き者で評判だったのですが、年を取ってからは1日中眠ってばかり過ごすようになり、村人たちは呆れていました。
ある日、村人たちが家の前を通ると、珍しくおじいさんとおばあさんが起きていました。
村人たちが、どこか具合が悪いのかとたずねると、2人は「釜戸や家財道具がなくなっていて、布団と着物などを入れる大箱だけが残っているのです」と、話しました。
村人たちが、泥棒が入ったのでは?と心配そうに話したのですが、2人は驚きもせずまた眠ってしまいました。
夜になり、2人は布団を敷こうしたのですが、布団はすっかりなくなっていました。
どこを探しても見つからず、仕方なく大箱の中に入って眠ることにしました。
するとそこへ泥棒がやってきました。
大箱の中に2人が眠っていることを知らない泥棒は、大箱を背負って山の方へ走って行きました。
しばらくすると大箱の中から2人の話し声が聞こえてきたので、大箱の中に化け物が入っていると勘違いした泥棒は大箱を放り投げてどこかへ逃げてしまいました。
放り投げた勢いで大箱の蓋が開き、目を覚ました2人は、星空が見えたので屋根が盗まれたと勘違いしました。
何も知らない2人は慌てることもなく、さすがに家ごと盗むことできないだろうし、屋根のない家を盗むこともないだろう、と言ってそのまま山の中で眠り続けました。